延命措置を希望しない場合は遺言書に残せばいいのか?
「延命措置はいらない、自分が意識がない場合に家族などに伝えたい」
このような場合はどうしたらいいんでしょうか。
最近、遺言書を作成される時のご相談で多いのが、延命措置は希望しないのでそれも遺言書に明記したほうがいいですか?
という内容です。
医療技術も進歩した反面、過度な延命措置は望まない方も当然いらっしゃると思います。
では、希望しない場合には遺言書に残すのがよいのでしょうか。
遺言書は死後のことを定めるものです。自身の死後、財産を誰に譲るのかといったことを記載するのが基本です。
また遺言書の効力は遺言者の死後に発生します。
遺言書に記載してあったから延命措置はしないという定めもありません。
遺言書を生前から公開することを避けたい方も多いですし、自身の生前に家族や医師に自分の意思を遺言書によって伝えるのは難しいでしょう。
そんな場合は尊厳死宣言公正証書の作成をお勧めしています。
尊厳死宣言公正証書は、尊厳死を希望する旨の宣言をする公正証書です。
回復の見込みのない状態になったときに、延命治療を中止してもらいたいという意思表示をこちらでします。
だだし、医師も命を守る使命がありますので明らかに助かるものを措置をしない、また絶対に延命措置をしてはならないというものではありません。
とはいえ近年、尊厳死は認知も広まっており延命治療を中止することを期待できる可能性は非常に高まってはいます。
医療技術が進歩したからこその選択ではあると思いますが、ご自身の延命措置を希望される方は
公正証書で想いを残すという選択肢があります。
遺言書とはそもそも性質が違うので注意が必要ですね。
遺言はどちらかというと高齢の方が作成を希望することが多いですが、尊厳死となれば希望する方は年代は問わないとも考えます。
それぞれ、ご自身にあった選択をできればと思います。